2月16日(土)安田陽先生(京都大学大学院 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授)を講師にお迎えし、
講演会「どうなる?今後の電力事情」を開催し、60名の方にご参加いただきました。
安田先生の講演会は、3回目。お話いただくたび、
わからないけど知りたいことをわかりやすくはなしていただけると好評です。
今回は、事前にお願いした3つのテーマを中心に一層わかりやすくお話いただきました。
概略を少し紹介すると。。。
①太陽光2019年問題:FIT(固定価格買い取り制度)の買取期間が終わる2019年以降対象太陽光発電オーナーはどのような対応をすればいいのかという疑問に対しては、代行業者(アグリゲーター)と契約して卸電力取引市場を経て小売電気事業者に売るのが最も現実的な対応だろうとのこと。FIT後は「安く買い取られる」ことが悪いことだと思っている人も少なくないが、再エネ賦課金で社会から支援された10年だったのでこれからは再エネを安く市場に提供し、再エネを育てるという意識を持てばよい、またアグリゲーターが少ない日本ではその育成も急務とのこと。
②出力抑制とは:出力抑制がネガティブな受け止め方をされているが、国際的には5%以内が一般的であり、ちょっと捨てれば全体でもっと再エネが入ることを考えれば、冷静に考えることが必要である。今後は制度設計の見直しが必要とのことでした。
③北海道ブラックアウトについて:戦後初めてのブラックアウトについて、「原発が動いていればブラックアウトは起こらなかった」「再エネ(分散型電源)がもっとあればブラックアウトは起こらなかった」「石炭火力を1か所に集中させていなければブラックアウトは起こらなかった」という意見が流布したが、いずれも事故後の検証で否定されている。ブラックアウトは通常2日で回復するが、万一今後大停電になった場合は、優先順位をどうするかを考えることが必要(医療機器、データセンター、原発等)とのことでした。
休憩中に会場から集めた質問を後半にこたえていただき、参加されたみなさんからは、アンケートには、
・固定価格買取りがなくなることをマイナスと考えていたが、FIT終了後のイメージ・対応策等がより鮮明になり大変有益だった。
・FIT後は蓄電池設置とも考えていたが、それより市場に売る方が価値を生むというお話に納得できた。安い電力を市場に提供するという考え方がわかった。
・賦課金の考え方、畜電池の考え方、ブラックアウトの考え方など具体的でわかりやすく説明いただき勉強になった。次世代への投資という考え方を大切にしたいと思った。
・ブラックアウトも出力抑制もそんなに問題ではなく、冷静に対応することが大切だとわかった。
・日本の情報の出し方やメディアの信頼性も考えなければと思った。
・電力会社・行政に働きかけることも大切だが、不備な制度に対しては法律を変えるよう働きかけることも大切だ。
といったコメントをいただきました。
安田先生、ありがとうございました。